ワンダーエッグ・プライオリティ雑感【1~6話】

【はじめに】

 せっかくはてなブログを開設したのでなんか記事を書きたいなぁと思ったのですが、わざわざ書きたいことがない。まぁしいて言うなら最近観た作品とかの感想かなーと考えまして、今のところ楽しんで観ているアニメ「ワンダーエッグ・プライオリティ」の感想でもつらつらと書いていこうかなと思います。

 紹介だったりおすすめポイントだったりを語る内容にはならないと思いますので、見たことない方はこの記事を見ても何のことだかわからないと思います。すみません。

 そしてそのアニメの内容ですが、ネットは「よく分からん」「どういうこと?」という疑問が良く上がっております。ただ、その多くは内容が意味不明で理解できないなのではなく、主人公たちの気持ちや思惑に納得がいかない、説明がつかない、というところが近いのかなぁと感じる次第です。

 脚本家の方が、ドラマ脚本界の大御所の野島伸司さんだったり、その野島さんがインタビューで作品に対する思いなんかをいろいろと語られたりしていましたが、基本的にはアニメの内容に準拠して話をしていきたいと思います。だらだらと長くなりそうですが、興味のある方はよろしくお願いします。

 

ワンダーエッグの世界について】

 自殺した少女たちのトラウマが具現化し、アイたちが立ち向かうことになるワンダーエッグの世界。これについては多分、科学的な理屈はつかないでしょうし、そこを解明する物語でもなさそうなので終始ふわっとした理解で進むことになります。僕もよく分かりませんし、彼女たちも理解することはないでしょう。

 ただまぁ、そのまま分からんといって切り捨てるのもアレなの思ったことをだらだらと書き連ねていきます。

 〇 戦いの舞台

  ワンダーエッグの世界はそれぞれアイやねいるたちの「トラウマとなっている場所」、もしくは「彼女たちが生き返らせたい少女の死にまつわる場所」が舞台とみていいでしょう。

 アイ → 小糸 → 学校

 ねいる→ 妹  → 橋?

 リカ → ちえみ→ 棺桶の花? ちえみのいた町?

 桃恵 → ハルカ→ 駅

 そして、それぞれが割ったエッグから出てくる少女が持つトラウマも、それらに関係していることが多そうです。アイは学校関係、リカはアイドル関係、桃恵は電車での痴漢など。類は類を呼ぶのか。これにも理由はあると思います。

 〇 ワンダーキラー

 ワンダーエッグの世界には、共通の敵ミテミヌフリと、ボスとなるワンダーキラーが登場し、キラーを倒すことでクリアとなります。6話を見てみると、倒しきれなかった(時間いっぱい逃げて終わった)場合は、その続きからになるようですね。

 視聴者のコメントにも多い、まどマギの魔女みたいと言われるキラーたちですが、まぁ結構謎な部分が多いです。

 結論から言うと、キラーの見た目は、その世界の持ち主(アイやねいる)がどのようにトラウマを捉えているのかによって変わるのかなぁと考えています。これは6話の見えないキラーが、ヤエちゃんを理解することで可視化されたというのが分かりやすいです。そもそも、キラーは最初から化け物の形をしているわけではありません。1話の時点ではこのように描かれます。 

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  登場時点からずっと、倒されるまで人間の形をしています。攻撃手段も斧を投げつけてくるとか、死ねとロッカーに書くなど、人間としてできる範囲の行動しかしてきません。

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 最後にちょっと化け物っぽい感じを出しましたが、基本的には人として戦っています。この点ではむしろペンを武器に変えたアイの方が化け物ですね。

 話を戻します。学校でのいじめはアイも経験があり、トラウマについて具体的に理解していたことが、ワンダーキラーが化け物化しかなった理由なのではないかなぁ? と思っています。

 くるみを助けたというよりも、アイが自分のトラウマと闘ったという見方もできるでしょう。実際、アカ達はクリア後に「残念、助かるのは君だけ」と言っています。

 そして、くるみはこの世界にすごく順応しています。何度も助けられた過去があるのでしょう。それでもくるみは助かっていません。ワンダーキラーが誰に対してのトラウマになるのかは、戦っている少女の理解度に依存するのではないでしょうか。戦いに来た少女がそのトラウマを深く理解していると、戦っている少女たちのトラウマとして優先的に処理されているのではないかなぁと感じます。「学校でのいじめ」のような多くの少女のトラウマになるような事象は、多くの少女がもっており理解されやすく、くるみは後回しにされ続けているので助かることができていないのでしょう。今回のこのキラーもアイの経験値? として扱われたわけです。

 この説について、もう少し話を続けます。2話のミナミのトラウマについてです。 

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 この世界でもキラーは最初、ジャージを着た教師として現れました。この段階では、教師によるいじめとアイは理解していたのだと思います。

 しかしミナミは「悪いのは私なの」「私のために先生はしてくれている」と言い出し、アイの考えていたいじめとしての理解と乖離していきます。

 そして、このトラウマはアイの理解を超え、化け物化するわけです。

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 アイは「ミナミは、教師の厳しい体罰的な指導にトラウマをもっている」というところまで理解しますが、具体的にどのようなことをされたのか、どのようなことを言われたのかは漠然としか理解していません。なので、この化け物が行う行動もどこかテンプレートをなぞったような(悪く言えば陳腐な)発言や行動が目立つわけです。生理で体形が変わったことをなじるシーンがありますが、それもミナミがアイに言った「先生に、体型変えるなって言われてる」って言葉ですし。

 6話のヤエがもっているトラウマの具現化も、どこか寂しがりやに見えます。誰にも見えない→相手にしてもらえない→寂しいという連想でしょうか?

 というわけで、相手のトラウマに対する理解が、キラーに影響を及ぼしている可能性があります。そして、その理解するという行為は結構重要な要素のように思えます。

 3、4話のアサガヤマダムについても、5話でねいるが戦った相手も、倒すためには理解をする必要がありました。ワンダーエッグの世界では、エッグの中にいる少女(他人)をいかに理解するかを問われ続けるようです。

 他人を理解し、戦って成長していく過程がワンダーエッグの世界として非現実的に描かれているのかなぁと感じています。

 〇 傷

 ワンダー世界では、基本的に無敵で、傷を負っても時間がたてば治癒されるアイですが、現実世界に傷が持ち越される描写がありました。 

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  しかし、これ、すべての傷がそうなっているわけではないようです。

 2話のジャージばあさんとの戦いの際、アイは頬に切り傷ができます。 

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 結構、ざっくりと切りつけられてます。しかし、この戦いが終わった後の夜、病院でのカットがこちら。 

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  傷一つありません。最初は2話での戦いの怪我を治しに病院に来たと思っていましたが、ちょっと違うかもしれません。そもそも、あれだけぶっ飛ばされて地面にたたきつけられたのに、アイは激痛を訴えることもなく、包帯まいたり松葉杖をついたりすることなくピンピンしています。多分ですが、この病院に来ている理由は1話で怪我したところの経過観察なのでしょう。

  1話での怪我は残るのに、2話での怪我は残っていないように見えるのは、これも敵に対する理解度の差からきているのもだと考えます。

 基本的にワンダーキラーはエッグの中の少女の敵です。だから戦うべきなのはアイではなくその少女で、怪我などのダメージはその少女たちのみが受けるものでした。しかし、1話のくるみに関しては、アイが十分に敵を理解し、戦う相手としての優先度をくるみから奪いました。そのため、ダメージを受ける対象もくるみからアイに移ったのではないでしょうか?

 最後にねいるについて。ねいるは4人の中では抜きんでて大人っぽいです。まぁ社長ですしいろいろな人を見てきたことでしょう。2話では結構な重傷を負って病院に運び込まれています。これも、相手への理解の深さゆえでしょう。

 神待ち少女のトラウマのおじさんは化け物化していましたが(神待ちするような女子との接点があまりない?)、5話の敵は完全に人と一体化した状態でした(ポンポンみたいなやつはダミーでした)。5話のタイトルは笛を吹く少女。ねいるを共感させ、死へ誘うくらいには何かしら近いところがあったのかもしれません。妹の死と何か関係もありそうです。

  〇 ワンダーエッグの世界についてその他のこと

 ワンダーエッグの世界は何のためにあるのか? 精神修行の場というわけではないですが、自分のトラウマを克服する場としての役割が一つ。また、相手のトラウマを理解する場としての役割が一つ。こんな感じかなぁと。

 これらは、実際ならば現実世界で友達や知り合いを通して行われるものでしょう。その成長していく様子を、夢の世界の出来事として、キラーとのバトルとして描いたのがワンダーエッグの世界かと思います。

 今後ワンダーエッグの世界がどのように描かれるかわかりませんが、アイが6話の終わりに「私、学校行きます」と言ったのも、小糸のことなどをもっと理解しないといけないということを知ったためかと思います。

 小糸の死を理解するには、ワンダーエッグの世界だけでは何ともならない。学校へ行き、小糸の死について、何か知っているかもしれない先生とも話をしていかないといけないという気付きが、アイの中であったのかなぁと。

 恋愛的な側面からみると、アイが先生を好きだという気持ちと向き合う決心がついたとも考えられますが、本当に好きなのかどうかは確定できないなぁと思います。

 ついでに言うならば、6話で手に入れた数珠はあくまでもメタファーでしょう。そもそも、他のエッグの少女たちの持ち物を使って戦うのも、相手を少なからず理解したことの喩えでしょう。 

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 6話ラストの大急ぎで数珠をもって駆け出すシーンですが、走っている間、先生に会っているとき、数珠をもっている様子はありません。ポケットかもしれませんが、数珠に何か能力があるのならば、きちんと持っている様子がなければ意味がありません。あくまでも数珠は「見えなかった、もしくは、見てこなかったものをきちんと見ようとする意志」としての描写だと思います。

 

【今後の展開について】

 特に面白い意見が言えるわけではないんですが、ワンダーキラーとの戦いは行いつつも、現実パートでいろいろな事実が明らかにされていくのでしょう。いろいろな人がいることを知るたびにキラーへの理解が深まり、その結果ダメージを受けやすくなっていく=死ぬ可能性も増えていくのかなぁと。

 ワンダーエッグ世界に行くことに対して疑問をもつ展開もあり得ます。その場合、アカと裏アカがなんかしてくるんでしょうね。新たなアイテムや敵の出現もあり得そうです。

 というかそもそも、主要な人物4人をはじめ、登場人物のほとんどにまだまだ隠されている闇を感じます。どんな新事実が出てくるのでしょうか。嫌な展開になる未来しか見えませんが。

 小糸がエッグから出てくる可能性は低そうですが、同じような境遇の少女がエッグから出てくる展開はありそうです。その場合はキラーの姿が沢木先生に近いものになる可能性もありそうですね。

 

 長々書きましたが、大まかに自分が今考えているワンダーエッグ・プライオリティについてはこんな感じです。以下は、なんとなく思っていること、蛇足な事柄について書いていきます。

 

 

【エッグの記号について】

 エッグにはそれぞれID?のような番号が振られています。まぁ、番号というよりも記号なのですが。これ、ちゃんと停止して確認すれば規則性があり、暗号になっていることが分かります。 

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  これは、一番最初にもらった初回限定無料ガチャエッグ。きちんと『k?(?96』と書かれています。で、次のエッグがこちら

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 『96*596』と書いてありますね。

 まぁ、サクッと言ってしまうと換字式暗号、サイファ式の暗号です。文字が別の文字記号に置き換えられているパターン。

 一つ目のエッグにいた女の子の名前は『くるみ』二つ目のエッグにいた女の子の名前は『みなみ』です。

 96=み ということに気が付けば、ローマ字がそれぞれ記号に変換されていることに気が付くことでしょう。ざっと書いてみたらこんな感じ。

 K=k U=? R=( M=9 I=6 N=* A=5

 こんな感じに置き換えていけばほかのエッグの文字も読めそうです。分からない文字も、女性名になることをヒントに置き換えていけばいけるかも。というわけで、他の文字を探してみるとこれが見つかる。1話の終わり、ねいるが引いたガチャに書かれている記号です。

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 最後の文字が不鮮明だけれど多分『-4646(‡』かな……? なんだこれは……? 6はIというのと、(がRというのもわかる。‡は見たことない。EかOか。最初の-が母音だとするとこれもまたEかOか。しかし-を母音として考えるとどうしても女性名にならない。これは子音か? -46で一文字か? つまりはCHIか? となると、CHIHIROか? 面倒だけれど読める! 読めるぞ!

 となったところで、ふと思い出すことが。換字式暗号を使った有名な推理小説がいくつかありまして、二銭銅貨や踊る人形、そして黄金虫などなど。実際に読んだことはないですが、ミステリ読んでるといろいろと話には上がるんですよね。好きな小説家の乾くるみさんの作品にも……ん? くるみ? まぁそれは置いといて、黄金虫。

 主人公アイちゃんが1話の冒頭で埋めてあげた虫、ずっとカナブンだと思ってましたが、ひょっとしたら黄金虫では? 黄金虫の暗号が関係あるのでは? ということで調べてみたら、ドンピシャ。そのまま流用されているみたいでした。

 アルファベットに対応してそのまま当てはめれば読めます。もう推理する必要はなくなったんや……。

 多分、暗号とかの考察好きに対するサービスみたいなもんですかね。せっかくなのでいろいろと解読してみたらスミレとかツバサとかが見つかりました。

 

 暗号の話は終わり、驚いたのがこのシーン。

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 3話の最初、アイがリカに会う前にエッグを買うシーンです。2個買ったのかなーと思いきや、このエッグに書かれている記号を読むと「くるみ」なんですよね。くるみ? お前はこの前……? このエッグはどういう立ち位置なんでしょうか? 

 経験値として自分のものにしたということでしょうか? 同名の女子? わざわざ名前を見せているので何か理由はありそうです。

 

【ミテミヌフリについて】

  どこにでも現れるミテミヌフリ。 

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  得体のしれない何かです。よく分からないけれど笑いながら飛び跳ねて切り付けてくる存在。主人公達はよく切り付けられますが、不思議と切られない状況もあるみたいです。1話での、くるみだけが追いかけられて「私は襲われない」というシーンが印象的ですが、他にもあります。

 これが、2話のミナミ。なぜかミテミヌフリに突っ込んでいきますが無傷です。その代わり走って逃げたり立ち止まると攻撃してきます。1話に倣って、よそ者のアイは襲われないのでは? と思いましたがここでは、ばっちり狙われてるんですね。恐らく世界を理解し、このトラウマの当事者として優先度が少し上がっているからだと思われます。

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  そして、アンチ。

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 仮面が取れてもまだまだ匿名性を保っています。アイ達がある程度レベルが上がった(世界を理解してきた? 世界からの認知度≒優先度が上がった?)のに合わせているのかもしれません。しかし、正直なところ……はい、お助けアイテムに続きは書きます。

 

【お助けアイテムについて】

 アカと裏アカからなんかソウルジェムみたいなペンダントをもらいます。これがどうやら戦いを手助けしてくれるものらしい。 

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 で、それぞれが呼び出してみるとこんな感じ。

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 卵生の爬虫類たちですね。爬虫類は変温動物。外からの影響を受けて体温が変化する動物たちです。

 そして、これらの動物、それぞれの主人公が生き返らせたいと思っている少女と対応しているような気がしてきます。

 アイ → 小糸 → カメレオン

 ねいる→ 妹  → ヘビ

 リカ → ちえみ→ リクガメ

 桃恵 → ハルカ→ ワニ

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 このカメレオンにはゴーグルがあります。小糸の眼鏡とつながります。そして、アイも感じている小糸の多面性。考えれば考えるほど、小糸という人間が分からなくなる様子はまるでカメレオンが体の色を変えることとどことなく似ています。

 同じように、リカは分かりやすくちえみでしょう。リカはちえみのことをデブと公言していますし、カメとして現れていてもおかしくなさそうです。

 桃恵とねいるについては何とも言えませんが、桃恵を襲ってきた肉食系女子→ワニとかそのあたりでしょうか? まだ隠された何かがあるかもしれません。ねいるのヘビは意味深な白蛇ですし、もっと深い意味がありそうです。

 どこかの神話とかに元ネタがありそうですが、僕は知らないです。

 で、アンチ。ミテミヌフリはアンチにレベルアップしましたがこのお助けアイテムのおかげで実質何も怖くなくなってしまいました。これにも多分何かしらの意味はありそうです。

 そもそも、なんでこのアイテムが配布されたのか? アンチに対抗するためというのもあるでしょうが、主人公たちがワンダーエッグの世界から離れていかないようにするためというのもある気がします。

 5話の時点でリカが「もう戦うのをやめよう」という話をしだします。これはアカも裏アカも聞いています。アカと裏アカは恐らく、アイ達がエッグと闘うのをやめられては困る立場なのでしょう(なんでかは知らないですが)。エッグ世界に意識を向かせるため、お助けアイテムをしぶしぶ(?)渡します。中の動物が小糸風なのも、そのためかもしれません。あと、アンチが強すぎて戦うのを恐れられても困りますし。

 アカと裏アカはさながらゲームマスターのように、ワンダーエッグ世界の難易度を操作しているのかと思います。ゲームセンターの件のように、アカと裏アカを飴と鞭のように使い分けてやる気にさせたりもしてますね。

 

【ママと先生について】

 登場した時から常に嫌な雰囲気を出し続けている沢木先生。6話でアイの母とお付き合いするだのえげつない展開になりました。まぁ予想はしていましたが。

 しかし、なんというか別にこの作品は子どもVS大人という構図をとっているわけではなさそうです。あくまでも戦うのは子どもとトラウマ。その戦いの手助けを、大人はしてくれないという感じかと。

 このシーンは印象的ですね。

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 本来ならば、アイと母が並んで座り、向かいに先生が来るべきでしょう。アイの悩みやトラウマに対して同じ立場にいてはくれないのです。

 そして、ママについてつらつらと。

 大戸家の食卓にはやたらと卵が並びます。1話の時点で卵かけごはん、目玉焼きが出てきますし、それ以降もオムライスやすき焼き(!?)が出てきます。アイの好物が卵という設定があるのかどうかわかりませんが(オムライスが好物という台詞はある)意識して、食事の準備をしている可能性は高そうです。母は忙しいなりにアイにできることを頑張っている印象です。後ほど書きますが、母はアイに対して何か負い目を感じている可能性があります。

 その他、沢木先生について。

 やたらと生理的に無理という意見をよく耳にする沢木先生。まぁ、実際に担任でもないのにそれなりの頻度で家庭訪問してきたり、母と付き合うと言い出したり、小糸と意味深なシーンがあったりするわけですが、あくまでもまだ、その気配があるって感じなんですよね。まぁ、保護者と付き合うとかは正直なところモラル的にアウトなのでは? と思わずにいられませんが、法的にアウトではないわけで。

 小糸との、このシーン。

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 強く抱きしめているわけではなく、肘を軽くもっている状態です。教え子に泣きつかれて何もせず手をぶらーんとしているよりはまだ自然でしょう。本来ならば、拒絶しない程度にそっと距離を置くべきなのかもしれませんが。

 沢木先生の描写や、こういう物語のテンプレ的に(メタいなぁ)裏がありそうなのは確かにそうなのですが、今のところ確定で悪い奴と言い切れる要素はないです。リカは自分がちえみを傷つけたトラウマから、アイが傷ついてほしくない一心で「沢木は悪い奴かもよ? 心の準備をしときな」的な発言をしてきます。でも、客観的に見ると、ねいるが言うように「アイは先生のことが好きなのでは?」と思われてもおかしくないような人物にも描かれています。

 しかしまぁ、沢木先生が善人でも悪人でも、アイの心に影を落としていく存在になっていく気がします。

 

 最後にママと先生のお付き合いについて。

 なぜ今? と思うわけですが、純粋に先生のことが好きになったということもあるでしょうが、アイが学校になじめない原因が自分にあると、強く母が思っている可能性があります。

 まぁ、話半分に聞いてもらいたいと思います。

 アイの虹彩について、ひょっとしたら先天性のオッドアイだったのかなと。アイがオッドアイを気にしていることは母も知っているでしょう。悪いのはアイの目をからかう人たちなのですが、母から見て、ちゃんとした目をもった状態で産んであげればと思っていた可能性があります。

 で、さらにアイの名前、大戸アイについてです。母は離婚しているわけで、本来ならば生まれたときのアイは父方の姓を名乗った〇〇アイだったと思われます。(いや、父方の姓を名乗っていた証拠はない! と言われたらそれまでですが、多くの場合が父方の姓に揃えることが多いのでそう仮定します)

 離婚したことにより、アイは大戸アイになったのです。オッドアイの大戸アイは学校やその他の場面で悪気のない冗談として頻繁に言われたことでしょう。それは行き過ぎてイジメとなったかもしれません。からかわれるのが嫌で目を隠してしまうくらいに、アイのプライドやアイデンティティを奪いました。本来ならばねいるたちと談笑している様子からわかるように明るくて元気な女の子です。

 まぁ、案の定、からかった奴らが悪いのは間違いないのですが、母は自分のわがままで離婚したがために、オッドアイの大戸アイと言われて、この現状があると思っているのではないでしょうか? そのため、アイが貝になって何も話さないときは母は何も追及できません。

 めちゃくちゃ飛躍しますが、このお付き合いを機に結婚し、苗字を沢木にすることで名前によるからかいをなくしたいと思っていた可能性……いや考えすぎですかね。

 結婚すれば沢木先生は違う学校へ行くでしょう。沢木先生が転任したのち、大戸さんの名字が沢木に……。これはこれでまたあらぬ噂が流れそうです……。

 ないな。

 

 

【ゆうゆについて】

 はい、もう全然本筋と関係なくなりました。

 3話と4話に出てきた自殺したアイドルゆうゆについてです。この人の元ネタはゆゆうたさんでは? というだけの話です。ゆゆうたさんが過去に出したCDの曲にカラフルという曲があります。名前が似ているのと曲のタイトルが一致しているというだけです。はい。何より彼は死んでませんし自殺もしないと思います。

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【おわりに】

 えっと、いろいろ書き始めたら3時間くらいたちまして文字数も9000文字を突破しています。一応変なこと言ってないか確認しながら書いていますが、だいぶ疲れましたしうまく伝えることも難しい感じになってきたのでここらで切ります。

 今後どんな展開が待っているのか楽しみです。気が向いたらまた感想を書いてみたいと思います。

 では失礼します。